Label:self
Format:CDR
盤質:NEW ジャケット:NEW
2024
-info-
大阪のラッパー・seep minutesの局地的にはお馴染みになりつつある
プロジェクトの最新作。作家の過去作になぞらえるならば『MINUS』をゼロに、
そしてゼロをプラスに変える道は長く、そして険しい。
その過程にある無限のレイヤーを輪切りにして断面を提示する
42amのビート上の自作自演、または、高熱にうなされる病床をキャンバスにした
ドキュメントという地産地消の工芸品たる5曲入りEP。
尚、収録曲全てが次作アルバムには含まれないことが予告されている。
同プロジェクト内の前々作『DYES +』に特に顕著に現れている
NY PUNK、suicideの音楽霊との戯れのような歪んだ音響感を根拠としつつ、
そこにTrash Porn/Trash Policeという解釈を与える自嘲と、
きょうび歪んだ音に衝動性やましてやアマチュアリズムの表象を読み取るような
シンプルさは過去のものとなりきったことを冷静ながらも熱っぽい筆致で伝えており、
選び取られた質感としての荒れ(クリッピングの西、ディストーションの東)を
乗りこなすべく草案されたフロウのちょっとした発明の数々こそ
刮目して聞かなければならないし、
それはkim gordon 『the collective』にある名状しがたい感動とも関係があるだろう。
なぜ確信は諦念や捨て鉢と接続された時にこそこんな光度で輝くのか?
という問いに対する答えを私たちは探し続けなければならない。
いま「知らんけど」を一番カラフルに発話でき、いや、
「知らんけど」というからには既に多くのことを知り過ぎてしまった
賢者のため息の風圧にこんなに圧倒され、あまつさえ背中を押された気になるのは
もう末期で取り返しのつかないSICKなのかもしれない、
そんな危険なテーゼをCDRの形で我が家にも転がしておける
ギリギリの豊かさを手に入れて下さい。
- Phonehead (2024.7/22)
trash list
01. SICK
02. SAGE
03. EDEN
04. HAIL
05. AKUMU
prod. 42am
print. Mano screen