Label:Alwayth
Format:CD
盤質:NEW
2022
一足先に聞かせてもらいましたが本当に最高です。ひたすら暖かく、まるで大事なものを抱きしめ続けるような柔らかさがその楽曲セレクトから溢れ、それを自身のエディットなども駆使して至極ユニークにまとめあげ唯一無二のまばゆさと夢心地を見せるサスペンド・ジャーニー。しかしそれは逃避のような感じでもなくやはり同時にStreet Dreamsにも聞こえるタフさも備える超々レコメンドMIX。WACKWACKのアートワークも完璧でしょう!早く手に取りたいぞ〜!下記タラウマラによる推薦文も是非。
808発売。
■Info
音楽は誰のためでもなく、誰のものでもなく、嬉しいことがあった日も、悲しいことがあった日も、晴れの日も雨の日も
雷の日も、そこにずっとあって、気づいてもらいたくて、むしゃくしゃして、でもやっぱり聴こえてきて、名前なんてな
くて、つまずいた小石でステップを踏んで、いつしかそれがダンスになる。破れた絵本の3ページ目を見て、古いレコード
を聴きたくなった。大切なものを抱きしめたり、淹れたての紅茶を飲みたくなった、あの日のフロアに想いを馳せたり、
やみくもに拳を突き上げたくなったり、セックスしたり、いなくなったり、迷い込んだり、溺れてみたくなる、でも結局
は柔らかい毛布を手にして、スピーカーから流れる音と添い寝する。晴れの日も雨の日も雷の日も、戦火のなかでも、マ
スクで顔が見えなくっても、そばにいる人の手を取ることはできる。その手は小さくて大きくて冷たくて温かい。繋いだ
手を円にして覗き込んだら、BUSHMINDがいつものように手のひらを羽ばたかせていて、ころころと心地良く鳴るドラム
の音が聴こえてきた。空なんて飛べなくてもいい、どうせまた転ぶんだから、だったらいっそのこと転がり続ければいい。
回り続けるレコードと一緒に、いつまでも、ずっと、どこまでも、今日のことを忘れられるその日がくるまで。フロアか
ら人がひとりずついなくなっていくように、すべてを手放せたとき、”それ”は最初からすぐそばにあったってことを思い
出す。いつも聴いていたのに、はじめて聴いた音楽たち、その最後のメロディを焼き菓子にして、どこか知らない所に遊
びに行こう、繋いだ手を離さずに。このmixは扉を開いてくれる、最初からそこにあった新しい日々とお隣さんのために。
Text by DJ PATSAT